小学校、中学校とも自分の居場所がなかった。
そんな時間を過ごしてきたから、なおの事
違う自分になれるようで・・・
高校入学は私にとって
それまでの自分を知らない人のいる場所。
新しい生活が始まることへの
大きな期待とちょっぴりの不安。
高校の入学式からの帰り道。
一時間に一本のバスしか走らないような田舎の
周りは田んぼに囲まれたバス停。
バスを降りてから自宅への帰り道は
両脇に桃畑が広がり、緩やかな坂道が続く。
坂道を上りきった場所は、左側が松林
右側には大きな桜の樹が何本か並んで立っていた。
バスを降りた瞬間。
目の前に広がったのは、
桃、桜、菜の花で彩られ
青い空とのコントラストも美しくて
春が完成された風景だった。
もう何十年も前の事なのに
今でも目を閉じると その春の風景が広がる。
あれから、何回も春が廻って来たけれど
想い出の中にある あの時の完成された春には
未だに出合う事ができないでいる。
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by harunokansei
| 2013-05-31 11:45